もりの作文

文章練習ブログ

うがい薬を買いに行った話

昨日、大阪の吉村知事が「コロナには、うがい薬が効きまっせ~。うそみたいな話ですけど、ほんまでっせ~」と記者会見で言うとった(こんなコテコテの大阪弁ではなかったが)。そのニュースを見た僕は、早速、休憩時間に、うがい薬を買いにいくことにした。すると同僚の木下さんに「私の分も買ってきて」と頼まれた。

 

「OK!」と、もうおっさんなのに、ローラのような口調で返事した僕は、急ぎ足で会社近くのドラッグストアに向かった。ところが、同じことを考える人は多いもんで、うがい薬は1個も売ってなかった。棚のところには「うがい薬・品切れ」の紙が貼ってあった。近くの客が店員さんに「うがい薬はもうないんですか?」と聞いていた。店員さんの説明によると、個数制限してなかったので、一人の客が大量に買っていったとの事だった。

 

会社に戻って、木下さんに「ありませんでした」と言うと、「本当?自分の分だけ買ったんじゃないの?」と疑うので、「何も持ってないでしょほら」と手のひらをヒラヒラさせたうえ、ポケットもカラだというとこを見せると、「ふん。駅のロッカーに入れてくりゃ、アリバイ工作できるじゃん」と言うので、「だったら見に行ってくださいよ。うがい薬の棚、ガラガラですよ」と言うと、「何? それ、もしかして、うがいのガラガラとかけたの?」と聞くので、「そ、それはまったく意識してなかったんですけど、とにかくないものはなくて・・」と説明を続ける僕に、木下さんは「もういい!」と吠えるや、「ガラガラー、ペッ!」と、エアーうがい薬を僕の足元に吐きつけ、去っていった。

 

なんて女だと、怒り心頭になったが、それ以上に腹立つのは、やはりうがい薬を買い占めた人間だ。春先のマスク不足の時もそうだったが、世の中には何故、こういう連中がいるのか不思議でならない。自分が買い占めることによって、本当にそれを必要としている人に、行き渡らなくなることを彼らは想像できないのだろうか? 自分のはしたない行動が、多くの人を苦しめていることに気づくべきだ。今一度、自分の胸に手を当てて、よく考え、じっくり反省の日々を送ってもらいたい所存である。

 

以上、うがい薬の買い占めに失敗した男による、何の説得力もない演説でした。